こんにちは、信託コンサルタンタントの宿輪です。
民事信託(家族の信託)は、制度ができてから10年以上経ちますが、実際に使われ出したのは最近の事で、身近で実例を見た方は少ないと思います。
この「信託情報」では、皆様の信託に対する疑問をランダムに取り上げ解説しています。
【本日の話題】
ペットを飼っている高齢者が、入院や介護施設への入居、死亡などの理由で、自分が飼えなくなった後のことが心配な方は多いです。
それが理由で、ペットが飼えず寂しい思いをされたいる方もいるようです。
家族信託を利用すれば、万一の際でもペットの面倒が見られる状況をつくることができます。
昌子さんは、5年前に夫を亡くしてから一人暮らし。
最近、かわいがっていた愛犬が死んでしまった。昌子さんは、保健所に保護された犬を引き取り、飼いたいと思っているが、年齢を考えると最後まで面倒を見れる自信がありません。
昌子さんには、長男の正雄さんがいるがペット禁止のマンションに居住している。
家族信託の内容
昌子さんを委託者兼当初受益者、ペット仲間の山下さんを受託者、正雄さんを二次受益者とし、金500万円とペット自体を信託財産として信託契約を締結する。
二次受益者の正雄さんは、ペットが天寿を全うした後に、残った財産を受け取ることができます。
家族の信託により飼育体制が確立
ペットとともに信託された金銭500万円は、ペットの飼育以外の用途には使えません。
受託者が、ペットを飼えなくなった場合は、動物愛護施設や里親に飼育を依頼し、その費用を信託金銭で賄うことができます。
信託契約をすることで、自分が面倒を見れなくなってもペットの生涯を守ることができるようになります。万一の心配を無くすことで、ペットのある暮らしが充実したものになるでしょう。