こんにちは、信託コンサルタンタントの宿輪です。
民事信託(家族信託)は、制度ができてから10年以上経ちますが、実際に使われ出したのは最近の事で、身近で実例を見た方は少ないと思います。
この「信託情報」では、皆様の信託に対する疑問をランダムに取り上げ解説しています。
【本日の話題】
離婚をすると、配偶者は他人になります。
しかし、親子の立場は変わりません。
自分が死亡したとき、元配偶者は相続人ではありませんが、子はは相続人となります。
しかし、子が未成年の場合、財産の管理は親権者が行なうことになります。
親権が前妻にある子に相続財産を渡したいが、前妻に財産を使われるのは避けたいと考えても、普通に相続した場合どうにもできません。
こんな場合でも、民事信託(家族信託)を利用すれば自分の希望通りに財産管理ができます。
・喜太郎さんは、会社の操業者であり業績は好調である。
・喜太郎さんは、元配偶者の孝子さんと昨年離婚し子の花子ちゃん(5歳)の親権は孝子さんにある。
・喜太郎さんは、花子ちゃんが未成年の間に死亡した場合、相続財産の管理権が孝子さんになることを懸念している。
・喜太郎さんは、最近歌子さんと交際するようになった。
歌子さんを結婚し子ができる可能性や、歌子さんの連れ子を養子にする可能性もある。
【信託設定】
喜太郎さんを委託者兼当初受益者、喜太郎さんと弟の建さんを社員,理事とする一般社団法人を設立して受託者とする。
二次受益者を花子ちゃん、受益者代理人として健さんを指定する。
【信託の効果】
①信託財産が受益権化されるので、「譲渡禁止」「担保提供禁止」の制限を付けることができ、花子ちゃんが未成年のうちに受益権を得ても、前妻の孝子さんが勝手に処分したりすることはできない。
②喜太郎さんが再婚したり、連れ子を養子にするなど家族関係に変動があっても、信託倹約を変更することで対応ができる。
③喜太郎さんが認知症などになっても、受益者代理人の健さんが信託の変更などに対応できる仕組みを作ることができる。
信託契約を組成することで、前妻に相続財産の管理が渡ることが確実に避けられます。