こんにちは、信託コンサルタンタントの宿輪です。
民事信託(家族信託)は、制度ができてから10年以上経ちますが、実際に使われ出したのは最近の事で、身近で実例を見た方は少ないと思います。
この「信託情報」では、皆様の信託に対する疑問をランダムに取り上げ解説しています。
【本日の話題】
かわいい孫の教育資金を援助したいと考える方は多いと思います。
平成25年から、贈与税の非課税制度として「孫への教育資金贈与制度」が施行されていますが、
・信託銀行等に金銭を信託し、税務署へ非課税申告書を提出する必要がある。
・教育費として支弁した証明(領収書等)を銀行に提出する必要がある。
・30歳になった時点の残額に対して、贈与税がかかる。
など、使いづらい部分があり、あまり普及していませんが、信託を利用すれば、問題は解決できます。
山田さんは、孫の一郎君の教育資金を援助したいと思っています。
しかし、高齢である為、万一認知症などになると贈与ができなくなります。
一郎君の頑張りに応じ臨機応変に対応するため、民事信託で教育資金を確保することにしました。
教育資金の預貯金を信託する
委託者(信託設定者) 山田さん
受託者 山田さん
後継受託者 一郎君の父
受益者 一郎君
信託の効果
・一郎君の教育資金として、必要額を必要な時に給付できる。
・資金が不足する場合は、追加信託することができる。
・一郎君が大学卒業したときには、信託契約は終了できる。
・山田さんが認知症になっても、後継受託者が信託を継続する。
・教育費として使用した金銭は課税の対象とならない。
・信託終了時の残余財産帰属権利者が山田さんの場合、残余財産に対して課税されない。